映画『ピンクとグレー』
1月24日、1時間ほどかけて観に行って参りました。*1
ピンクとグレー。
劇場内凄く人が多くて、びっくらぽん*2。
中には部活帰りの男子高校生もいて、インターネット予約しておいて良かったと安心すると共に、もっと全国的に上映すればいいのにという思い。
大きすぎないスクリーンで、最後列のドセンターを確保していた私は、左手にカップル、右手に前後で座る多分とびっこさん状態で、大ヒット素晴らしいと喜びながらワクワク始まるのを待っていたわけです。
ここからネタバレですので、まだ観ていない方はお戻りください。
画面が暗くなると同時に、シゲアキを褒め称えたい気持ちが溢れだして泣きそうになる私(ただのバカ)。
だってこんなの初めてなんだもん!!
自担がこんな大きくなってるんだもん!!
我に帰って、ちゃんとストーリーを楽しもうと体勢を整えると、しょっぱなお姉さんのコンテンポラリー。
正直もっとさらっと通り過ぎるだけだと思ってた。
個人的にはここを取り上げるより、もっと好きな場面を入れてほしかった。
この映画だけ観ると、ごっちらしさが何もない感じがする。
ごっちの中にはお姉さんしかなくて、自分がいない感じ。
もっと、幼少期を取り入れて欲しかった。
ごっちの、ふわふわしてちょっと不思議ちゃんなとこ、どこか冷めた雰囲気。
“しょーもな”の使い方とか*3、毛虫、流れ星なんかも。
木本とマルコフとか。
お姉さんが入院してからの2人のエピソードが何とも言えないけど好きで、ごっちとりばちゃんの関係が深くなったのはここだと思ってる。
だからやっぱりそこがカットされてしまったのは個人的に残念だったかな。
62分後の衝撃は事前の予想通り*4で、そんなに衝撃はなかった。笑
原作のある映画を面白くするためには、どこかを原作と変えないといけない。
少なくとも私は、原作通りの映画で原作より面白いと思ったものはないから。
今回それが62分後からなんだけど、ごっちのイメージを見事にぶち壊してくれた。
それが良いのか悪いのかは観た人によると思うんだけど、私はそれが好きじゃなかった。
原作では、ごっちがどんなことを考えていたのか、どうして自殺したのか、そのタイミングの理由は…、とか本質的な部分は読者に委ねられていて*5、各々のごっち像を持てた。
ごっちだけじゃない、りばちゃんも。
私にとって、2人は最初から最後まで綺麗だった。
だから、菅田くんの役*6が凄く嫌いになった。
ごっちにお店を紹介されたという菅田くん。
もちろん、それは河鳥大を傷つけるための嘘かもしれない。
でも、そんなごっちを想像するのが嫌だった。
目に見えて壊れていくりばちゃんが嫌だった。
苦しむりばちゃん。
それを見ているごっち*7。
終盤、凄く胸を抉られた。
原作の、自分のやるべきことを淡々とこなしていくりばちゃんじゃなかった。
映画のりばちゃんも、ごっちを思っていたのは確かだろう。
でも、映画では死を選ばなかった。
映画の方が、現実味もあるし人間らしい。
ごっちが救ってくれたという捉え方も出来る。
でも、私が好きなピンクとグレーではない。
あの原作からみえる加藤シゲアキの人間味に私は惚れた。
しかし、それが完全に失われていた。
映画自体はとても面白いと思う。
ただ、原作ファンが、作家加藤シゲアキファンが好きかというと、少し考える。
現に、酷評が多いと聞いた。
これからパンフレットや雑誌の対談等を読むので、そのあとでは印象が違うかもしれない。
上映している映画館が近くにないので、もう一度観に行くことはないが、DVDが出れば買うことはもう決めているので、そのときはまた違った見方で楽しみたい。
- 作者: 加藤シゲアキ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: 文庫
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